テレビの混合器(ミキサー)おすすめ10選｜使い方や分波器との違いは？

混合器とは、テレビに欠かせないアンテナを1つにまとめる機器のことを指し、アンテナミキサーと呼ばれることもあります。テレビの電波には「地上波（地上デジタル放送）」と「衛星波（衛星放送）」があり、それぞれ使用するアンテナが異なります。

地上波とは、その名の通り地上の電波塔から自宅のアンテナで電波を受信して視聴できるものです。普段よく視聴する「地上デジタル放送」などがこれに該当します。変換器なども特に必要なく、スマートテレビなどでも受信することのできる一般的な電波です。

一方衛星波とは、地上ではなく宇宙にある衛星から自宅のアンテナに電波を受信して視聴できるもので、「BS/CS衛星放送」や「4K・8K放送」がこれに当たります。放送局から宇宙の衛星に電波を送信、その電波を衛星から地上に送信しているため、地上波とは別のアンテナが必要になります。

この異なるアンテナを1つにまとめるのが、混合器（ミキサー）の役割です。

アンテナケーブルの接続方法はこちら

基本的にアンテナの設置位置によって「屋内」か「屋外」か決まります。アンテナから受信する電波には強弱があり、弱い場合には増幅器を使用して、受信した電波の強さを増強させてから混合器に接続します。中には増幅器も内蔵した混合器「ブースター混合器」というものもあります。

使い方と言っても特に難しいことはありません。まずはアンテナから引いたアンテナ線同士を混合器に接続し、次に自宅のアンテナ線と接続するだけです。基本構造として、混合器は差し口が2つ付いている側と、1つ付いている側があります。アンテナから引いたケーブルは差し口が2つ付いている側に接続し、差し口が1つの方に自宅のアンテナケーブルを接続すれば完了です。

基本的に混合器は一家に1台のものです。複数購入する必要はないでしょう。

混合器とよく間違われるものとして分波器があります。混合器は、地上波と衛星波のアンテナケーブルを1つにまとめるためのものでしたが、分波器は1つにまとめたものを再び2つに分配するためのものです。

分かりやすく例を挙げると、自宅にあるアンテナ線は1つしかありません。しかし、テレビやブルーレイレコーダーなどには、地上波と衛星波のアンテナ差し口があります。テレビでそれぞれの電波を視聴する際に、まとまったものではなく、別々に接続しなければいけないからです。

このような場合に使うのが分波器です。まとまったアンテナ線を再び2つに分配して、それぞれに適したケーブルに振り分けることができます。分波器は混合器と違い、テレビがある台数分必要になります。一見紛らわしい名前ですが、使用用途が異なるので、購入する際は違いについて理解しておくとよいでしょう。

分波器について更に詳しく知りたい方、分波器と分配器の違いについて知りたい方は、下記の記事をクリック！

続いて、混合器の選び方に付いてご紹介します。「混合器に選び方なんてあるの？」と感じる方も多いでしょうが、使う環境や用途によって、適したものが異なるので、自分の環境にあったものを選ぶようにしましょう。

屋外タイプの混合器は特に、防塵・防滴性能が大切です。長期間利用していると、雨などの水分や塵やホコリの混入で故障してしまうことも。キャップ等で防水できるものからネジ式で水分が入らない仕様になっているものまで、さまざまなタイプがあるのでチェックしてみましょう。

外部機器のノイズをできるだけ抑えたい方は高シールドタイプを選ぶと良いでしょう。映像の信号は電波で受信するため、周辺機器の電波が干渉してノイズが発生してしまうことがあります。このノイズを抑えるために接続途中のノイズ処理が必要になります。

シールド構造の中でも、ダブルシールドやトリプルシールドと記載されているものを選ぶと安心でしょう。層が厚くなるほど、ノイズの干渉を受けづらくなります。シールド構造になっていない混合器と比較すると10~20dbほど、ノイズの干渉に違いが生まれます。

より安定した映像を映し出したい方は、高シールドタイプを選ぶようにしましょう。

前述した通り、アンテナの設置位置によって、混合器が「屋内用」か「屋外用」かの違いが出てきます。「どっちも一緒でしょ」と感じる方も多いでしょうが、それぞれ環境に適した構造になっているため、設置位置に対応したものを選ぶようにしましょう。

屋内用として多いものは、混合器と分波器が一体になったものです。どちらの機能も備えているため、1つ持っておくと使用できる幅が広がります。また、屋内用はネジ式のものが多く、ケーブルが外れづらくなっています。安定した電波の供給が可能な点もメリットの1つです。

屋内にはたくさんの周辺機器があり、電波が飛び交っています。混合器は電波を扱うものなので、他の電波の干渉を受けると映像が乱れて安定しないことがあります。なので、屋内用は高シールドタイプを選ぶとよいでしょう。しっかりとノイズをカットしてくれて、安定して使用ができます。

屋外用において最も重要なのは防塵・防滴に対応しているかという点です。屋外に設置するため、砂やホコリ、雨による影響が心配されます。それをカバーするために、しっかりと防塵・防滴に対応したものを選びましょう。

ここで注意したいのが、屋内用のものを屋外で使用してしまうこと。屋内用は防塵・防滴仕様になっていないことがほとんどなので、事前に確認することが大切。また、屋外に設置する場合、プラスチックのチープなものだと、暴風雨の際に破損・故障してしまう恐れがあります。

ケースの素材や耐久面なども事前に確認してから購入するのがおすすめです。もし不安ならステンレスタイプのように丈夫なものを選ぶとよいでしょう。

電波には周波数帯域というものがあり、その帯域に適した混合器を購入しないと「接続できない」というようなトラブルになることもあります。以下でご紹介する電波の帯域に対応しているか、事前に確認してから購入しましょう。

地上デジタル放送は「地上波」と言って、地上にある電波塔からアンテナで電波を受信してテレビを視聴するものです。地上波放送は10~770MHzに対応している必要があります。ただ、ほとんどの混合器がこの帯域に該当するので、心配する必要はないでしょう。

BS/CS衛星放送は「衛星波」となるため、宇宙にある衛星からアンテナで電波を受信してテレビを視聴するものです。BS/CS衛星放送は1000MHz~に対応している必要があります。混合器は地上波と衛星放送の電波を1つにまとめるためにあるので、そこまで心配はいらないでしょう。

4K・8K衛星放送は、「衛星波」に分類されますが、2018年12月よりスタートした比較的新しい放送です。購入する際は対応しているかどうか、しっかりチェックしておくと安心です。

4K・8K衛星放送は3224MHzに対応している必要があります。まだ4K・8K衛星放送に対応していない家庭もあるでしょうが、今後高解像度の放送が増えてくるので、対応したものを購入しておくと買い換える必要がなくなります。

前述した通り、混合器には分波器の機能が一体になっているものがあります。分波器は一般的に屋内で利用されるものなので、防塵・防滴に対応していないことが多くあります。しかし、分波器と一体になっているものは、今後混合器を買い替えたとしても、分波器として活用し続けられるという大きなメリットがあります。

価格としてもそこまで差はないので、一体になっているものを選ぶとのちのち便利でしょう。逆に分波器を購入する際も同じで、混合器と一体になったものを選ぶと長く活用できて便利なことが多いです。

続いて、価格で選ぶ場合についてご紹介します。混合器は一般的に2,000円~3,000円が相場です。できるだけ安く済ませたい方、お金はかかっても機能を充実させたい方の選び方を見ていきましょう。

一般的に低価格のものは、「よくわからないからとりあえず安い物から」という理由で購入されることが多いでしょう。特にこだわりがない方は、低価格のものを選んでも問題はありません。地上波とBS/CS衛星波をまとめるだけの目的であれば十分です。

しかし低価格な分、機能が充実していないというデメリットもあります。必要最低限の機能は備えているものの、防塵・防滴が十分でなかったり、シールド構造になっていなかったりします。なので、屋外に設置する場合は価格で選ばず、機能で選ぶことをおすすめします。

高価格のものは機能面でも安定していて、保証もしっかりしているケースが多いです。機能でいうと、シールド構造でダブルシールド・トリプルシールドに対応していたり、4K・8K衛星放送に対応した周波数帯域の3224MHzに対応したりするものなど。

これらの機能を優先的に考えるなら、高価格のものを選んでいくとよいでしょう。また、屋外に設置する場合も、防塵・防滴性能や劣化しにくい素材が使用されているなど、性能面で優れた高価格のものがおすすめです。

低価格・高価格ともに、金額や機能など自分のニーズに合うものを選びましょう。

混合器と言っても、世間的にはそこまで有名なものではありません。何度も買い替えたりしないものですし、情報も限られています。そこで参考になるのが、実際に購入した方の「口コミやレビュー」です。

「屋外に設置していたが、買って3ヶ月で故障してしまった」、「安いのに機能がしっかりしていて満足している！」といった生の声が聞けるレビュー・口コミを参考にすることで、少ない情報でも安心して購入しやすくなります。

あまり詳しくない商品を購入する際は、口コミやレビューを参考にするのがおすすめです。

4K・8K衛星放送対応の混合器を使用していても、4K・8K放送に対応する機器類がなければ視聴することはできません。高画質の映像を楽しみたい方に向けて、4K放送に必須の機器類をご紹介します。

まずはなんといっても、4K映像に対応したテレビが必須になります。4K画質は従来のフルHD画質と比較して4倍の解像度がある高画質です。なので、フルHDのテレビで4K映像を流したとしても、テレビのスペックが足りていないので見られないのです。

4K視聴がしたい場合は、混合器よりも先に4K対応のテレビを購入しましょう。

4Kチューナーは4Kの電波を映像に変換する際に必要な機能です。 現在では4Kチューナーを内蔵しているテレビも多いですが、中には搭載していないものもあります。 そんな時は、4Kチューナーを購入するか、4Kチューナー対応のBDレコーダーなど周辺機器を購入しましょう。

4Kチューナー内蔵BDレコーダーは、録画機能やVODの視聴機能、DVD/Blu-rayの再生など様々な機能が搭載されています。4Kチューナー内蔵テレビは高価格のものが多いので、予算を抑えたい方は4Kチューナー内蔵BDレコーダーを購入した方がお得な場合もあります。

気になる方は下記の記事で詳細をチェックしてみてください。

4K衛星放送を受信するためにはアンテナが必要ですが、4K放送に対応しているものを新しく設置する必要があります。従来のBS/CSのアンテナでは受信できないので注意しましょう。また、アンテナ自体の価格は5,000円~10,000円程度ですが、アンテナの設置は住んでいる場所、自宅の環境によっても別で費用がかかってきます。

アンテナを設置する際は、費用がいくらかかるのか事前に確認しておくとよいでしょう。

今回の記事では、テレビアンテナ混合器（ミキサー）についてご紹介しましたが、いかがでしたか？混合器は、地上波だけでなく衛星放送をテレビで視聴したいという方にはとても便利な器機です。屋内に設置するか屋外に設置するかなど状況に応じて必要な機能も異なってくるので、自分の環境にあったものを選んでみてください。